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■枡野浩一
この本、気になってたのがようやっと文庫化してくれたので嬉しい。石川啄木の歌を枡野さんが現代語で訳したりして注釈を載っけてくれている楽しい試みなのだ。文庫化されたのを読んで初めて知ったけどこれも「ほぼ日」の企画だったんだね! すごいなあイトイさん。目の付けドコロがやっぱスゴいわ。
石川啄木って教科書のイメージだと真面目で爽やかな青年だったのだけど(【はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手をみる】だの【不来方のお城の草に寝転びて 空に吸はれし十五の心】だの)、この本を読んで「こ、こいつあひでぇ野郎だ……」とびっくりさせられた。自尊心が高くて女好きで借りた金は返さず妻子がいるのに家にお金を入れないで芸者遊び……そういうヒトだったんかぁ。
まあ、昔の文人とかそういうの珍しくもないんだけど。
歌人、ってちょっとそうゆう系かなあとも思うけど(すみません偏見すね、でも小林恭二だか穂村弘だかもそゆこと云ってたし)、やー教科書に載ってるのと随分違うなあ。でも正直相当面白い歌詠んでたんだなあ。
だって枡野さんの現代語短歌よりも明らかに啄木のがイイんだもん、なんていうか、言葉の並びと言うかリズムというかそういうのが「!!」って感じでやっぱ天才だったんだなあと再確認しちゃったり。
教科書にこれそのまま載せたらけっこう共感呼ぶと思うな。文芸に対する「堅苦しい」とかいうイメージ払拭してくれるかも、とも思うな。
……青少年にはあんまり健全じゃないからダメなのかもだけど。
啄木こんなの↓詠んでたんだねえ。すっげープライドだねぇ。
性格出てるねえ……。
一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと
短歌・俳句・詩
|HINOKIasunaro| 20070430

■小林恭二
続いて『俳句』のほうを。
実は昨日ちょっと読みかけたんだけど、短歌に染まった頭でこれを読み始めるとあまりに世界が違うので切り替えに一晩おいたのだ。ほんとに続けて読むとぐわんとくるくらい、違うのがよくわかる。字数の問題じゃなくて……。短歌は感情で詠んでる感じだけど俳句は理性で創っている感じ。
ラスト流す感じで読了とした。『短歌』のほうが面白かったなあ、これは私が短歌のほうが好きだからとは単純に言えなくて、どうも構成とか書き方の違いに因るんじゃないかな。『俳句』は俳人個人紹介とか歴史薀蓄とかが多くて硬い感じなのに頁数を割いているためか2日目の句会の雰囲気を伝える部分をはしょってるんだよね。そこが面白いのに……。ちょっと残念な気もするけど、まぁなるべくしてそうなった、のかも知れないな。
あと、短歌のほうがものすごく変わった歌が多くて衝撃的だった後だけに、俳句が大人しく見えてしまったっていうのもあるかも。ま、この俳句も「普通」ではないんだけども。
なお、この本には前段『俳句という遊び』なるものがあったらしい。それも探せばよかった。ちょっと不首尾。
短歌・俳句・詩
|HINOKIasunaro| 20060520
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■小林恭二
吉野朔実さんがエッセイで採り上げられていたのを読んで以来気になって、ジュンク堂大阪本店などで探したこともあったのだが見つからなかったという本。
神保町の岩波を専門に扱っている古書店の2階で見つけた。あるかなーと見たらあっさりとあって。あぁ、岩波だったんだこれという漠然とした認識レベルだったので、見つけたのは僥倖(だって探してたのは何年か前のハナシだったから)。しかも値段を確認したら210円。「じゃ、あれもあるかな」と棚に目を走らせたら隣の棚左下に『俳句という愉しみ』も同じ値段でささっていた。
というわけで『短歌パラ』を。現代に歌合せを復活させてその実録を小林恭二の解説付きで読めるなんとも興味深い書、とは思っていたけれど実際読んでいくと想像以上に面白いので驚いてしまった。愉しいこれ、まさにパラダイスだよ。
新書だし短歌だし休み休みで2日ぐらいかかるかなーと踏んでいたけどほぼ1日で8割読んじゃった。何より、ページを繰る手を止まらせない吸引力がすごい。
歌合せの参加歌人は20人。俵万智さんが参加されている、おお。我らが穂村弘さん、彼とよくコンビを組む東直子さんもいて、光っている。
短歌・俳句・詩
|HINOKIasunaro| 20060520
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■金子兜太vsいとうせいこう
1日目
数年前に購入してざっとナナメに読んで本棚につっこんであったいわゆる積ん読本を久しぶりに引っ張り出してきて読む。俳句のルールが「季題」から「季語」への変化していったいきさつ、「無季語」という捉え方などの話が面白い。とりあげられている俳句は一般の俳人が応募する「伊藤園新俳句大賞」でのここ十年の優秀作だから、すごく巧くてユニークだし。途中まで読んだところでいつのまにか午睡……。陽射しがあったかい。至福。
2日目
この本は「俳句」というもののもつルールとかを知る意味で非常に興味深い。対話形式で書かれていくからわかりやすいし。まー作ろう、とかいう野望(?)があるわけじゃないけど。読んでるのが好き。
3日目
ちょっと難しいハナシになってきたなあ。アニミズムという思想と俳句の関係とか。アニミズムって何……。って思っても脚注とかなーんにもないんだもん。農業関係、農耕文化とかのなんかかなーとか前後で想像して読んだけど家に帰ってからgoo辞書調べたら違った。まぁ分かんなくてもそれほどのさしさわりはなかったけど。知ってて当然なんスか……。
4日目
俳句と荘子って実は関係が深かったというのに「へぇ〜」。松尾芭蕉とかもそうだし、昔の俳人には荘子を学んでいることが多い、とか書いてある。そうなんだ。ところで「荘子」ってどんなんだっけ……(^^; 生死感とかにとらわれず、簡単にいうと宇宙思想、みたいなことが書いてある。へ、へえ〜。俳句ってそういう世界なんだ……やっぱ知れば知るほど俳句と短歌って違うのねえ。
5日目
今日読んだところのメイン・テーマは切れ字。文語であるべきだとか口語でイケイケだとか切れ字は必須だとかなくてもイイとか季語へのこだわりだとか、――とりあえず俳句の世界にもいろんな主義の流派がある、らしい。
季語と川柳の違いとかにも触れていて、まあ川柳には季語はイラナイわけだけど、季語のない俳句もある。でも「どっちか」っていうのは読めばわかるわけで、しかしそれは日本語で読んでいるからであって、英訳したときにはそのへんのニュアンスは消えてるよな、と。だから「どっちもおんなじところから出てんじゃないか」という考え方をする解釈もアリだそうで。――ふうううん。面白いなあ。
なんかこの本、作品をあれこれ言うよりは全般的な俳句論になっていて、予想外。ずいぶんカタイのだ。そんなこんなで積ん読になってたのかもな。って、調べたら、今は絶版……?あややや( ̄□ ̄;)。
6日目
読了。やー、予想してたよりずっと深い真面目な内容の本だったなあ。
今日読んだところは、旅をしつつ苦吟する「吟行」なるものについて。それと最後にカルチャー教室で出た俳句をあれこれやる、というもの。
五七五にこだわるとどうしても硬くなったりして結局うまくいかない、体のリズムに五七五を叩き込むというか、自然に出てくるようになればアソビゴコロも出てくる。でもまれに天然でそういうことがいきなり出来ちゃう人もいるんだとか。面白いねえ。
短歌・俳句・詩
|HINOKIasunaro| 20051210
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■石垣りん
詩は難しい。
難解だったり古典語で一つ一つの言葉が重すぎる。
そんなのが多いのだ。
ところが装丁に曳かれて手に取った石垣りんは違った。言葉が、すうっとそのまま入ってくるのである。しかも日常の何でもないひとこまの、心に浮かんだことを詠んでいる。
すごくいい。
石垣りんと云えば、昔教科書でみた覚えが有る。由緒正しい人なのだ。
どんな人なのだろう。おばさん。豪儀な人、しゃきしゃき、デリケートとは違うけどでも自分の感性をきちんと言葉にできる人。彼女の詩からは台所の匂いがする。生活の匂いがする。
他の孤高のブンガク的な詩人もまあそれはそれで気高くて立派で美しいけれども、文学だぞうって構えて読まないといけない。鑑賞しないといけない。
石垣さんのは違うんだな。少し笑ったりしんとしたり、心にすうっと落ちて沈む。何気ない日常語だが実に大きな視点でものを見ていることにおおおと思う。「儀式」とか「朝のパン」とか、うーむうーむである。もちろん編者が絶賛している「表札」もいいが。
ほんとに日常語で書かれてるんだ、そんでそれが名作には珍しいてのがモンダイとゆえば問題であるな。
でも詩ってこういうふうに各人が好きに読んで好きに受け取ればいいんであって、学校の国語で一律の鑑賞を習うなんて本当にぞっとする程ナンセンスだと思う。
短歌・俳句・詩
|HINOKIasunaro| 20050123















