文学賞メッタ斬り! 2008年版  たいへんよくできました編
文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編 (2008)
大森 望 豊崎 由美
パルコ
売り上げランキング: 11414

■大森望 豊崎由美
去年、「次も買うかは来年考える」と書いたことを覚えている。だが今年、書店に行って、これが出ているのを見つけたと同時に考えるもなにも一瞬もためらわずに手に取って、中身も確かめる必要も感じずそのままレジに持っていけてしまった(笑)。やっぱり面白いと思ってるんだなあ。実際、読んでみるとむちゃくちゃ面白かったし。いや、後半の面白度はいつもどおりなんだけど、前半のトークショーの収録部分がね。っていうかもうずばり、長嶋さんがね。激面白!
いや〜長嶋有ってこんなユニークなキャラでらっしゃったのかー。
あんまり面白かったので2回読んじゃったよー。大江賞のくだりに至っては3回も読んじゃったよー(笑)。    
       
そもそもわたしは長嶋さんの作品は芥川賞受賞作収録の単行本『猛スピードで母は』を読んだことがあるだけで、トークの中でも触れられる『エロマンガ島の三人』は大江健三郎賞を受賞したってんで「ふーん」とは思ったけどタイトルがそそらなくて手に取ることもしなかった。
(※受賞作は『夕子ちゃんの近道』。受賞後出版された『エロマンガ島』の帯に大江賞云々の文字が大きく躍っていたのでてっきりこれが受賞作なのかと誤解していた)。
っていうか長嶋さんといえばさー。「初版第1刷を買いたかったのに買えなかったあ!」というくやしさを思い出す作家さんなんざんすヲレにとっては……。
※そのへんもふくめて『猛スピードで母は』の当時の感想

でもこんなに面白いひとが書いているんなら他も読んでみたいという気になったなあ。
トークショーにはもうひとり、石田衣良も登場していてちょっとびっくりした。なんかよく知らないしどうでもいいんだけど石田さんって中原昌也っていう作家さんとケンカしたんでしょ、っていうかどうも中原さんが一方的にキレて作中でケンカ売ったりして石田さんも不愉快、みたいなことらしいけど、とりあえず前作『文学賞メッタ斬り! 2007年度版』ではトークショーのゲストが中原さんで、それを読んだりしているとどうも大森さんも豊崎さんも中原さんの側のひとたちなのかな、って思えたんだよね、っていうかよいしょしまくりじゃないの、身内贔屓?みたいな空気すら感じてしまって。
だからいきなり「石田さん敵の本陣にのりこんできちゃったよー」って読んでるこっちが勝手にあせっちゃったっていうところなんだけど、まあ、そこは、みなさんオトナですから(笑)。
石田さんのトークはさすがにテレビとかにも多く出演されているだけあって、慣れてるなあ、という感じだった。ま、「ふつーに感じの良い人」を演出できるひとなんだろうね、でもさり気に性格悪い面もかいま見えるよね、つまり腹黒だよね(っていうかプロフィールの生年月日みてびっくりした。1960年生まれ!もうすぐ50歳!? み、みえない……若ーい!)

まあ、ケンカは両方の意見を聞くのが公平だもんね。読んでの感想はそれぞれで判断すればいい、というかふたりとも作家なんだからそういう楽屋話に拘泥するのはあんまり一読者としては意味がないかもね。どうも石田さんは純文学畑より大衆文学畑のほうが良い、って持論があるらしくて、それってどうなんだろうとは思うけど。
ちなみに中原さんの作品は前年興味をもって書店でいくつか手にとってみたけれどどうも雰囲気がわたし好みじゃないような気がして1作も読んでない。石田さんのは代表作が以下同文なんだけどそうじゃないのを読んだことはあって、別に悪くはないけどわたしの趣味とは少し違った。

でもこういうふうに、ナマの作家の意見を読める企画やってくださるのってほんとありがたい。何がどの賞をとるか、っていうのは審査員数名の意見とか出版社の政治的な意向とかそういうのが絡まっての結果だっていうのはもう言わずもがななんだけど、それにしても選ぶ側の人間が本当にこういうレベルで良いの……? ってなるなあ。まあ、わたしは選評を実際に読んでいないからなんとも云えないんんだけど。いやー。
とりあえず芥川賞と直木賞の選考委員を選考したらどうかね、ヤマトの諸君。

書評 |HINOKIasunaro| 20080524
読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才 〜激闘編
読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才~激闘編
北上 次郎 大森 望
ロッキング オン
売り上げランキング: 4514

■北上次郎・大森望
新刊が出ているのを目にした瞬間中身を確かめる必要も感じずガシぃっと掴んで誰にも取られないよう(誰も取りはしない)胸に抱えレジに持ち込んだ。
「おのれ、何年待たせたと思っておる、ここで会ったが百年目、読み込まないうちは、否、読んだ後もそなたは何度でも楽しめることは前回で重々承知しておるから決して離さぬ。覚悟いたせ!」
(敵役との再会と思いきやツンデレキャラなお侍さんのようですしかも腹黒ねふふふふふ)
――と、いう感じだ。いや冗談だが。待っていたのは本当。

帰ってからしみじみとあらためて表紙を眺め「帰ってきた書評漫才」と銘打たれているのを見てにんまり。そう、そうなんだよ、北上おぢの天然ボケとお腹の中が真っ黒クロスケ・大森望の掛け合い漫才ならぬやりとりがほんっとに面白いんだよねえこの書評対談。前作『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』は'05年の3月刊。勿論同年12月に出たSIGHT別冊「日本一怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー2006」も飛びつくように買ったものだ。こういう書評集なんだから毎年出るんだろうと楽しみにしていたのにそうじゃなかった。……あの企画はどうなってしまったんだらう〜かと云って雑誌そのものを追いかける習慣はないんだよなあ……と思っていたのだが、とうとう出ましタ! イヨッ、待ってましタ、ロッキング・オンさん!

今回は2004年から2007年までの記事掲載に加え(前述のSIGHT別冊と重複している期間有り)、単行本用ボーナストラックとしておふたりがお互いに読ませたいオールタイムベスト3も収録されている。

とりあえず既読本&興味はあるけど未読、という作品に対するおふたりの対談は全部読ませていただいて、その全てに賛成というわけにはいかないんだけれど(例えば北上おぢってばしをんちゃんの傑作『風が強く吹いている』をぼろくそに言ってくださっちゃってます、ふーんだ、あのね、そういう読み方もあるだろうけどそういうある種イキオイで読んでしまえばどうってことないつまづきであの本の良さを否定してしまっては勿体無くてしようがないじゃないの、ま・ファンの欲目もあるんだけど)、「これ読もうかなあどうしようかなあ」と迷っていたものに対して「あ、じゃあやっぱ読みたい」とか「あーやめといて正解だったかも」とか非常に参考になる。「本の雑誌」よりもなんか本音が出ているというか、あそこは基本誉める本しか取り上げる余地がないんだよね、持ちページ数決まってんだから。それに比べるとこの本ではわかんないものは「わかんね」って言ってくれてあるから。それにしても前から思ってたけど北上次郎さんは徹底的に「文学は俺の守備範囲じゃない」というスタンスを貫いておられるなあ、芥川賞と直木賞の境目すら曖昧になってきている昨今の傾向にも拘わらず。

あぁ、一度も「本の雑誌」で取り上げられなかった『風味絶佳』があの年の本の雑誌ベスト1に選ばれたのはこれでかーとか、ホントに北上おぢの好みってブレがないわねえとか、にやにやしながら楽しんだ。と同時に読んでいるとお二人の読書量の多さに改めて……そりゃプロで第一線を突っ走っておられる方々なんだから当たり前なのかも知れないけど……凄いなあ、と。ひとつの作品を語るときにその脇に挙げられる本、当然読んでいることを前提に話されているし、当然読んでいるんだな、受ける側も。うーん、やっぱプロは違うわ。
これ読んでると「あ、じゃあ芋蔓式にまずあれを読んでなきゃなのね」などと非常に勉強になるというか己の甘さを思い知らされまス。

冒頭のお侍さんじゃないけど、ほんとに何回も読み込んでいきたいとっても愉しい指南書だ。

★この本と直接は関係ないですけど今月の「本の雑誌」(2008年5月号)は普段この雑誌を講読されていない方にも超オススメですぞ〜。なんと作家ご本人が今年の出版予定について答えたアンケート、70人分がどどんと掲載されているのだ! なんという贅沢、なんという素晴らし過ぎる企画! ビバ・本の雑誌編集部!

書評 |HINOKIasunaro| 20080413
大好きな本 川上弘美書評集
大好きな本 川上弘美書評集
川上 弘美
朝日新聞社 (2007/09/07)
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■川上弘美
9月に出版されたその日に即購入して気のむくままにつらつらと読んでいる本。好きな記事は繰り返し読んだりして。

たまに文庫解説やなんかでお目にかかる著者の書評は非常に穏やかで、好意的で、いつも”川上弘美ワールド”になっている。
本の話なのだけれど、たまに触れられるエピソードやなんかが、見事に川上的世界を構築しているのだ。
私にとって小説ではそんなにわーっと電撃的に好き、という波長の合い方をしない作家さんなのだが(でもまあまあ好きだからたまに読ませていただく)、書評は「あーこのひとみたいな書評良いよなあ」といつも思う。他の項で何度も書いているように、私は基本誉めるスタンスの書評が好きなのだ。

『大好きな本』で取り上げられる本たちはそういう意味で私好みのスタンスで書かれている。
指定される本の中には気に入らない本もあるんじゃないかなと思うんだが、まあ、本名で書いているんだし、同じ作家の立場だし、川上さんだし。批判とか、角突き合わせて文学論争とか、しそうにないイメージだし(実際はされているのかも知れないけれど)。
どんな本がやってこようともどこかしら誉められる点を探してきて、それを一所懸命誉めている。そんな気がする。

読んだことがある本も、噂を聞いたことがあるだけの本も、まったく未知の本もあるのだが「ははあ、あの本のここを誉めるか」というふうにやや意外に感じる書評もあれば「これは手放しで誉めているな」と伝わってくる情熱に引き寄せられる書評もある。

どれが、川上さんの本心からの誉めか。
そんなふうなやや意地悪な視点で見極めながら、読んでいくのもいいかもしれない。
でも、素直にそのまんま、ごくごくごくと飲み干しても川上さんの文章は澱みなく美しいからおいしい。
基本誉めの書評は、基本誉めのスタンスで、心穏やかに吸い取るのが一番良い気がする。

書評 |HINOKIasunaro| 20071216
文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編
文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編 (2007)文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編 (2007)
大森 望 豊崎 由美

PARCO出版 2007-05
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■大森望&豊崎由美
あとがき等によれば以降毎年出す予定だそうだ。味を占めたなPARCO出版。毎年でこの値段はキツイような気がする……て云っても続いて3年くらいかな?来年買うかどうかは来年考えればいいけど。

うーんやっぱり面白いなあ。
もちろんお二人の意見にすべて頷けるわけじゃないし身内贔屓みたいなのも感じるし、ましてやこれがその作品・作家の公式な見解とも思わないけど、でもやっぱりこれだけ多くの作品をシロウトが全部読むって難しいわけで、どうしたって取捨選択していかないと時間的にもおサイフ的にも厳しいわけで、そういうときにこういう同じひとが同じスタンスでいろいろ意見を教えてくれるっていうのはありがたいわけだ。毎月「本の雑誌」は読んでるけど、あの雑誌はエンタメ系が主で純文学系って割合が少ないもんで。

どの賞がどうだとか、この作家は審査員としてどうだとかいうのは正直単なる読書好きの私なんかにはわりとどうでもいい情報なんだけどね。まあこれはエンタメというか、半分冗談みたいにして楽しむことにしている。冗談に対して本気で怒る御大もおられるのかも知れないけれどそれはまあ、そういう場合はまたどこかの媒体で反論文なりなんなり載せて対決されれば良いと思うし。

この本でめたくたに書かれてるからってじゃあ読むのやめようとか、褒められてるから絶対に良いんだろうとかじゃなくって、それも情報のひとつとして最終的には己の読書レーダーの示すところに従って突き進み、それで読後結果どうであったかなどデータから次への指針とする。

ってまあカタく云うとそういう目的もあって読んでるんだけど、それより何よりやっぱり単純に野次馬根性というか興味本位というか、いろんなネタが載っているから面白い、っていうのが大きいんだす。だすわよ。

書評 |HINOKIasunaro| 20070519
高村薫の本
別冊宝島981号「高村薫の本 」別冊宝島981号「高村薫の本 」

宝島社 2004-03-02
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■別冊宝島編集部編
ハイどこの本屋にも置いていなかったのでネットで取り寄せましたよ。『高村薫の本』(宝島社文庫)。
昔ムックのカタチで出たときに店頭で買おうかどうか迷ったことはあったが文庫化して残っていてくれたのね。要するに、高村薫のファンによるファンのための本だ。

爆笑問題の太田光さんのインタビュー記事は、ははは、そりゃ男の人は加納のあの言動は「わからない」としか言い様がないよなー(笑)。
ファンのトーク記事、これ、随分抑えてしゃべってるよなあ……(笑)。高村作品のキャラのイラストが載っているのだがそれを羽海野チカさんが描いていたのでびっくりした。このリオウはまんま「ハチクロ」の森田先輩じゃないすかー(爆)。 

書評 |HINOKIasunaro| 20061216
シュミじゃないんだ
シュミじゃないんだシュミじゃないんだ
三浦 しをん

新書館 2006-10
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■三浦しをん
これは、「小説ウィングス」に2001年から4年半に渡り連載されたというボーイズラブについてのエッセイだけが集められた本である。ざっと見たが本当にBLのことしか書いてない……(笑)、ごくまれに少女漫画とか映画やドラマに話が振られることはあるがそれはすべてボーイズラブの話につながるマクラみたいなもんでしかない(^ ^;)。

だから「BLって何?」と聞き返してくるような健全なお嬢様にはなんのこっちゃら、何が面白いの? なのかも知れない。っていうかボーイズラブと聞いただけで気持ち悪くなっちゃうという方にはこの本はおろか以下この項の私の日記もお読みにならないほうがよろしいかと存じます。


と、いうわけでここから以下はある程度許容できるよーと云う御方だけにお読みいただくということで。よろしいですか? 


あ、でも、あのですねー。
私は普段はノーマルカップリング推奨派なんですよ。っていうかボーイズラブにはむしろほとんど萌えない。私が好きなのはあくまで少女漫画で、その贔屓の漫画家さんがごくまれにボーイズラブも描かれてたりして、それはいくつか読んだことがあるので、全然未知ってわけじゃないってだけで。

何が気に入らないってボーイズラブの直裁的に過ぎるところ。
私は「ほのめかし」が好きなんだ! 書いてないことを「もしかして?」とあれこれ想像するくらいで丁度いいんだ。つまり私が萌えるのはむしろボーイズラブ小説や漫画じゃなくて、あくまでも通常の、とされる小説でそれでも垣間見えてしまう、ほのめかされる恋情なんですよ……! 

例えば、かなり萌えるのが高村薫の合田刑事とその義兄の関係。いろんなしがらみや事件のぐだぐだの中でもがき苦しんでいる合田とそれを「青いなあ」って感じででも優しく聡い視線で見守り、時々さりげなく助太刀をさしのべる義兄……萌えますっ!(重大な注;あくまでも原作上では彼らは単なる義理の兄弟でしかありません、たぶん※1。でも、『シュミじゃないんだ』の中でしをんちゃんもおんなじような意見書いてらっしゃるもんねー、それに高村先生は他の作品でほぼもれなく男性同士の恋愛書いてらっしゃるもんねー)。

だからよりにもよって合田が女に惚れ(たと己の本心を誤魔化して勘違いし)て、女を追い掛け回す『照柿』はぜんぜん、まったく、ダメなんである。追いかける相手が違うだろ合田。ま、最終部できっちり義兄が「あんなくだらない女に何かかずらってるの」的ツッコミしてましたけどねーうふふ、お義兄さまったらv さぞハラハラなさったでしょうに、嫉妬心を大人の態度で見せないところが素敵ですわv 

――いかん、暴走してしまった。
だからこのエッセイの紹介はヤだったんだよー、ヤバいからイロイロと(笑)。

なにが言いたかったかというと、つまり私のようなボーイズラブにはほとんど縁も興味もないけど全部拒絶反応ってわけではナイ、というレベルの読者にもこのエッセイはそれなりに楽しめそうですよ、ってことです。
何かに夢中になっていて、それについて熱心に語るひとの姿って思わず引き込まれちゃいますよね? 愉しそうだな、あ、そうなんだー、そういう楽しみ方あるんだー、みたいな。
この本を読んでいるとうきうきるんるんのしをんちゃんの笑顔が浮かんできて、つられてにやにやしちゃうってわけです。

なお、このエッセイ集の巻末には直木賞作家三浦しをん氏の書き下ろしたボーイズラブ小説が載っているんですが……これは私は2回挑戦しましたが2回とも同じところで「ダメだ、これは拒否反応モノだ」とバサッと伏せて脱落しました。妻も子もあるそれなりの年齢の高校教師と男子学生……というカップリングです。あわわわわ。しをんちゃんはこれが萌えなのかもしんないけどヲレは鳥肌立っちゃうよーダメだよー! すまん、しをんちゃん。ヲレはやっぱり腐ってないのかもです!(いやそれは逃げだろ>自分)。

ちなみに同著者の『月魚』(角川文庫)は設定といい「ほのめかし」度といい、もろストライクゾーン。激萌えです。

※1 この時点で書き手は『レディ・ジョーカー』を読んでいません。

書評 |HINOKIasunaro| 20061105
文学賞メッタ斬り! リターンズ
文学賞メッタ斬り!リターンズ文学賞メッタ斬り!リターンズ
大森 望 豊崎 由美

パルコ 2006-08
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■大森望+豊崎由美
出た!
先日大森さんの日記を覗いて出るのを知り楽しみにしていたもの。ぱらぱら読んで愉しむ。面白いなあやっぱ。これ読んでその作品を読みたくなるかどうかはまた別の問題だが(っていうかケナシ方面が多いからどちらかといえば殺がれる?)

書評って所詮は個人の基準が入ってくるから彼らの意見がそのままモノサシになるとは思わないけど、でも、そんなブンガク云々の興味だけじゃなくて、純粋にこのふたりの掛け合い漫才めいた遣り取りだけでも楽しめるんだよな。っていうか、書評をここまでのエンタメにしちゃった功績は大きいと思うの。
某巨大掲示板でトヨザキ社長はそれこそメッタ斬りされてるけど、んでまあ、豊崎さんの書評が全て正解とは言わないし、反発する意見もあって当然だけど、私彼女の芸風(芸風って言うな)嫌いじゃないんだよなあ。

大森さんの腹黒ぶりも大好き。大森さんが本気で褒めているやつであんまりSFじゃないやつが私の読書指標の狙い目だったりします。

あ、でもこの本はジョークがわかんないタイプの方は読まないほうが無難かも。特に各賞の審査員の作家先生方で「遊ぶ」ROUND2は遊びですから、ジョークですから、これ。獅子はこれくらい痛くも痒くもないはずでございましょ?

書評 |HINOKIasunaro| 20060826
特盛! SF翻訳講座   ――翻訳のウラ技、業界のウラ話
特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話
大森 望

研究社 2006-03-12
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■大森望
遅ればせながら(3月に出た本。まだ初版だったけど)。
「はじめに」にSFファンの人、翻訳に興味のある人それぞれにおすすめの読み方が指南してあるが、SFにも翻訳にもそれほどの興味はない。だが評論家としての大森望さん個人に少し興味があるし、面白そうだったので。

かなり以前に書かれた記事(大森さん文中で28歳のとか!)ある。
それにしても「ファンジン」ってSF畑でしか見掛けない言葉だよねえ?「同人誌」と同じ意味らしいけど。

驚いたのがさらりと書かれていた大森さんの本名。「英保未来」さんとおっしゃるらしい。む、むちゃくちゃカッコいいじゃないスか! 本名の方がペンネームみたいだ。最初は新潮社の文庫担当編集者だったから、本名でお仕事できなかったのね。



書評 |HINOKIasunaro| 20060603
そんなに読んで、どうするの? 縦横無尽のブックガイド
4757211961そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド
豊崎 由美

アスペクト 2005-11-29
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■豊崎由美
いよっ、トヨザキ社長、待ってました! まとめて読みたいなとつねづね思ってたんすよ。帰り電車内で既読作品の項を拾って少しだけ読んだ。予想よりも大人しい本だな。未読作品が多い。読書の海の広さ深さを思い知るなあ。239作品書評収録。あんまり「トヨザキ社長キャラ」は無いみたい。巻末袋綴じの中身が楽しみだ。
あとがきの内容があまりにも普段の私の思いと同じだったので、ハゲしく同意!嬉しかった。「そんなに読んで、どうするの?」「えー、どうもしないよー」「なんで、そんなに読むの?」「面白いから」その通り! 更に、もう一歩踏み込めば、「想像力っていう、強いチカラを身につけ」る為。ああトヨザキ社長、世界の中心で叫んでくれ!

★追記
禁断の袋綴じ部分開けて読んだら「うおー、これぞ!こういうノリのでバサバサ斬り倒してほしかったざんす」という感じの内容で、胸がすきました。世間的には売れてる作品ばっかりなんだけどねー、「ええー、そうかあ?」と思ってる人間にはね、スカーッとしますですよ。

まーでも斎藤美奈子さんも豊崎さんも絶賛している作品がいくつかあるんだけど、そしてそれの文学的完成度の高さは疑うべくもないのだけれど、それと「私の好み」はまた全然違う問題だからなあ……。とりあえず途中でしおり挟んで伏せてある”アレ”を今年度中に読了しておくべきか?

書評 |HINOKIasunaro| 20051205
日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2006
4860520556SIGHT別冊「日本一怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー2006」
SIGHT編集部

ロッキングオン 2005-12-03
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■SIGHT編集部・編
去年のこれがなかなか面白かったから出ているのを見つけ即買い。ざっと目を通した。高橋源一郎ラ斎藤美奈子の対談はやや期待ハズレかなー。高橋しゃべりすぎぢゃ!斎藤さんもっとしゃしゃり出なはれ。
北上おぢの「この本、出たの6月じゃん?全然憶えてない」には笑うしかないな、もう完全にこのおとぼけキャラで突っ走る気満々だ。対象作品は我らが宮部みゆきの『孤宿の人』っすよ?あの傑作を忘れるか……ダメじゃん。あ、でも、『孤宿』より『ぼんくら』がイイ、っていうおぢの意見には私も賛成!

★追記
熟読。高橋さんと斎藤さんの意見にほとんど対立がないため、ともすれば後者が前者のイエスマンに見えてくるんだけど、どうなの。私、高橋氏はほとんど信頼してないからなあ。それにひきかえ、エンタメ担当の北上次郎と大森望の場合は両方信頼してるし、双方が尊敬しつつ「ヲタク」だから自分の意見結局は曲げないからね、読んでいて面白いのなんの。大森氏、去年よりは素直に地を出されているのでは?


書評 |HINOKIasunaro| 20051205
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桧あすなろ

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  • 奈良在住



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