大倉舜二『作家のインデックス』(集英社)
ひとんちのインテリア写真とかを見るのが好きである。
特に本をどういうふうに収納しているかに興味がある。
そんなわけで、必然的に蔵書量が多いであろう作家の部屋を写した写真集である本書を当時エイヤッと値段にめげずに購入したんであった。本の収納の参考になるような写真は無かったが、しかしなかなかに見ごたえがあった。全部カラーですしね。大判ですしね。
1998年11月刊、調べてみたら今でも容易に入手可能だ。ただしお値段は\4,935(税込)と書籍にしてはやや高め。
載っている作家さんの中には愛読しているひとも名前だけ聞いたことあるひとも全然興味のないひとも正直嫌いなひともいる。「まあ素敵」という部屋も中にはあるが大抵はあんまりインテリアとして参考になるものではない。ご愛嬌というか、そもそも主旨が「おされ」とかそういうところ目指してないんだもんね。生活感はばりばりに出てる。それが味で、狙いなのだろう。もちろん「ケッ」という感じの部屋のひともいるが。生活感っつーより資産の額が透けてみえる豪邸の某氏とか某氏とか……。
お家の写真だけでなく、作家ご本人の写真もあって、中でも井伏鱒二のご尊顔は何度拝んでも微笑ましい。
表紙に採用されているのは宇野千代さんの朝食。




装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
『最新編 国語資料総覧』(吉野教育図書)
これは自分で買った本ではなくて中学のときに国語科の副教材としていただいたものである。
厚さは1センチもないが、基本的なことが載っているし、カラー写真やイラストが楽しくて、だから以来ずうっと愛用している。机のすぐ手が伸ばせる棚に常に置いてある。
「最新版」というのはもちろん当時のハナシ。
さて出版年はいつなのだろうか、と探したがこれが載っていない。

んでもう1冊同じように愛用しているのが『新版 新修国語総覧』。これは3つ下の弟の高校の国語科副教材で、もう不要になった折にもらった。
上記の本より分厚く、情報量も格段に多く、重宝している。私自身も高校のときこの手の便覧を使っていたはずなのだがうっかり処分してしまったのだ。
図書館などで専門的な文献をみればもっと深く詳しい情報がいくらでも手に入るが、とりあえず「基本としてはどういうふうにまとめられているのか」を非常にわかりやすい言葉で知ることができる。おまけに初心者向けだから、関連知識として必要な情報もついでに載せてくれてある。読めば読むほど至れり尽くせりである。これだけの情報が安価で手に入る一般書籍ってあるだろうかと思えばありがたさは尚更だ。
それにしてもこの手の教材には「最新」とか「新版」とかが常套句のようにくっついているものなのかなあ。




装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
山口雅也『マニアックス』(講談社)
1998年9月に出た本で当時に購入したんだが、その動機は「函入りだから」というものであったかと思う。いやまあ、著者が山口雅也さんだったってのもあるんだけれども。大傑作『生ける屍の死』とどっちを先に読んだんだっけか……それによっても動機が違ってくるんだけれどまあ普通に考えると後なんだろうな。
挿画はMARK BEYERという御仁でその装丁は平野甲賀さんなんだけれども、奥付に”MARK BEYER氏の連絡先をごぞんじの方は下記出版部までおしらせ下さい。”というゴシック体の注意書きがある。……てことは少なくともこの段階では無許可でイラストを使用したってこと……だよね。今ネットで調べたら文庫にも同じ文句が載っている(?)という記事も発見した(裏付け取ってません)。そんなに連絡付け難いひとなのかなあ。
なおこの本はミステリ短篇集なんだけれど最後に著者の「LINER NOTE」が付いていたりする。洋楽のCDみたいにしてあるわけかな。そういえば本体の装丁が黒いし。
内容は………………すみません忘れました(!)。だって'98年に一読したっきりだしな……。そんなに好きじゃなかったって記憶はある。悪くもなかったけれど。『ミステリーズ』の姉妹編ということだが姉のほうは未読。



装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
吉田絃二郎『小鳥の来る日』(新潮文庫)
'94年、新潮社が文庫復刊の配本を定期的に行う企画をしてくれたことがあって、これはそのとき買った本の1冊。第4回の配本。著者名の部分が紅のと藍のと2パターンあって、カバーの透いた紙質が渋くて、とても落ち着いたたたずまいの文庫たちだ。
特に著者に思い入れがあったというわけでなく、普通にタイトルと裏のあらすじとぱらぱら見てみた感じで「面白そうだな」と選んだのだが、ある日井伏鱒二の短編を読んでいたらこのひとが教師として登場し、この作品集のタイトルが出てきたのでびっくりした。おお、そうであったか。
明治19年佐賀生まれ。作家でもあったが、早稲田大学で18年間教鞭をとっておられた。『小鳥の来る日は』36歳のとき上梓され、当時200版を越えるベストセラーとなったとのことだ(参考リンク;「早稲田と文学」)。
復刻版の装丁は新潮社装幀室。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
午前零時の玄米パン
1984年7月初版、私が持っているのは1996年11月の第17刷版。新本で買った。本体1,000円で税30円。当時は消費税3%だったんだなあ。
本書は既に絶版だが、同じ挿画の文庫ならば角川文庫から現在も出ているので容易に入手できる。
ご存知群ようこさんのデビュー本。
若き日の群さんが綴ったエッセイが詰め込まれた、そして当時の職場であった「本の雑誌」が作った、作り手の愛☆(笑)がびしばし感じ取れるとってもとっても綺麗な本である。
見てください、このキリリと真っ直ぐに伸びた背から表紙に至る、完璧な角の美しさを! 溝の美しさを! 潔いまでにカバーも帯もなくつるりと光る表面の艶の素晴らしさを!
……サイズも通常の四六版などと違って183×120と変形版。ほとんど見掛けないサイズだ。縦横の比率が違って縦にすらりと長い。
挿画は柳生まち子。装丁は多田進。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
原研哉『マカロニの穴のなぞ』(朝日新聞社)
2001年9月刊。現在は絶版。
まるで新書のようなシンプルなデザインと大きさであるがきっちりハードカーバー。使われている紙質も本体の細かい網目と帯の化学繊維っぽい網目にこだわりが感じられて美しい。
様々な論理的理由によってわたくしはマカロニを食すことを苦手としているのだがこれはなかなかひとの理解及び共感を得難いものである。
著者がナニモノかなどは全然関知することなくただタイトルに興味を持って買った。だいたい、タイトルに「マカロニ」が入っている本なんて他に見掛けたことが無い。
内容はデザインを職とする著者によるその視点を活かしたちょっとおされな感じのライトなエッセイ集。肝心の「マカロニの穴のなぞ」についてはいささか常識的で踏み込みが甘過ぎて全然こちらの欲求を満たしてくれなかったがまあ小説じゃないからこれは。このタイトルでSFとか誰か書いてくんないかなあ。
装丁は当然のように著者自身。
カバーイラストは水谷嘉孝。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
『本棚が見たい!3』(ダイヤモンド社)
1998年2月刊で、そのころに買った本。いろんな読書家の本棚が見開きカラーでたくさん載っていて、それぞれに特徴が出ていて非常に面白い。ちゃんとその背表紙の文字が読める大きさなのだ。1,2とあるのだが3だけ買った。理由は表紙右端にもお顔が出ているが大槻ケンヂの本棚が載っているからで、当時はけっこうCDを聴いたり、エッセイを読んだりしていたもので……。
本読みの多くはその収納や並べ方にもこだわりがある。本棚からはその持ち主の気質が確実に読み取れる。
こういう企画本、またやってくれないかな。イラストじゃなくて。白黒でもなくてこの大きさで。
写真は津藤文生。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
早川書房編集部編『ミステリ・ハンドブック』(ハヤカワ文庫)
もう10年くらいは持っていて、最初によく読んだのはもちろん、折に触れて繰り返し読んできた。とは云っても小説とは違うから、ぱらぱらやって面白そうだなと思ったところをじくっと読む。そして書店に行って件のミステリを見つけては読む。
そんなこんなで手持ちのこの本が落丁本だと気が付いたのはもうかなり読み込んだほんの数年前のことだった。遅きに失するにもほどがある。456頁の次がいきなり489頁。文章思いっきり途中でいきなり既刊リストに突入している。
これが小説だったらどんなにノロノロ読んでもまあ数日中に気が付いて、これがまた終盤での落丁だから泡食って書店に駆け込んでいるだろう。だが、幸か不幸かハンドブック。問題の頁は今も全然知らないポーラ・ゴズリングという作家の記事で、従ってこの欠陥に長い長い間気が付かなかった。気が付いても、もはや本書のほとんどは何十回と読んであるし今更落丁分30数ページのために正しい本書を入手したいかどうかと云えばほとんどその意欲が沸かない。
目次によれば落丁部にはサラ・パレツキーとスー・グラフトンとウォーレン・マーフィーのレビューが載っているらしい。なるほど。だから女性探偵物のこれらを読む機会を長い間持たなかったのだな。なるほど。
カバーデザインは矢萩喜従郎。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
「図書 1995年10月号 芥川龍之介特集」(岩波書店)
先週部屋の納戸を整理していたら何故か出てきた。なんで納戸になんぞ入っておったのじゃ。謎じゃ。仕舞ったというよりは明らかに紛れ込んだものだろうが、うーむ。
書店のレジの横などに無造作に置いてあって、無料で持って帰れる薄っぺらい小冊子が何種類か今も発行されているけれども「図書」や「波」は老舗の風格を感じる。
1冊店頭でくれるものは無料なのに冊子末尾に付いている年間購読はちゃんと値段が付いている。気になって今検索してみたら現在1冊の定価は100円で年間で1,000円だそうだ。
この号はむろん芥川龍之介特集とあったから貰って来た。冒頭に紅野敏郎、谷沢永一、大庭みな子の鼎談が載っているほか、真面目で硬い文章ばっかりが詰まっていて正直勉強でもない限りまともに向き合う気にはなれない。とりあえず持っていた。で、なんの因果か、10年以上経って物置から出現する破目となった。芥川が泣いているよ!
表紙のイラストはいわずもがなの和田誠。





装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
北杜夫『どくとるマンボウ航海記』(新潮文庫)
ボロボロの文庫本(^ ^;)
何十回と読み返した上に文庫ということもあって比較的ぞんざいに扱ってしまったことにも因る。
奥付などから判断するに購入したのは19歳の時。うーんもっと若いときに読んだような気がしていたんだけど案外大人になってから読んだんだなあ。
北さんという方はとにかく言葉遣いが独特で、ちょっとわざと古めかしくユーモラスなことを書かれる御方で、おかげで増えた語彙もあるし、また単純にその風変わりなリズムが面白くもあった。
マンボウという魚に対する特別な思い入れが私にあるとすればそれは間違いなく北さんの影響である。
挿画は矢吹申彦さん。




装丁劇場 |HINOKIasunaro| 20080410
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桧あすなろ

  • HN: 桧あすなろ
  • 奈良在住



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