■近藤文恵
先日、たまたますごく久しぶりに杉江さんの日記(「帰ってきた炎の日誌」@web本の雑誌http://column.webdokusho.com/koushin/sugie/2007/09/06/190401.php)を覗きに行ったら今度面白いのが出るよと書いてあって、著者は近藤史恵。このひとの作品は数年前(調べたら4年前)にまとめ読みした時期があったが以降読んでいなくって、しかもテーマは自転車モノとある。
うーん杉江さんの推薦書っていつもサッカーとかサッカーとかサッカーとか冒険ものとか。つまりあんまり私の守備範囲じゃないんだけど本屋さんの熱いコメントとかが気になるなあ。
てゆうか近藤史恵、あれから新作とか全然チェックしていなかったんだけど最近はどういう感じなんだろう……。
というのがアタマの隅に引っかかった状態でこないだふっと書店に寄ったらおお出ているではないか。
というわけで読んでみた(前振り長くてすみませんここまで読まなくてもいいくらいです)。
自転車モノと知って「競輪モノ……?」と漠然と考えたりしたがそうじゃなくて自転車ロードレースの世界を描いた小説。
その世界の知識はほぼ無かったが日本ではマイナーなこのスポーツについて丁寧に説明してくれてある。しかもすごく面白そうだ、ということがよくわかる。
フランスが本場で、ヨーロッパではサッカーに次ぐくらいの人気があって、そのルールの性質から「紳士のスポーツ」とされる、らしい。
主人公は陸上から自転車に変わってプロになった青年。自転車ロードレースも駅伝みたいにチーム単位で優勝を争う。もちろん個人の成績も順位が付けられる。
でも駅伝と決定的に違うのは、自転車ロードレースには「アシスト」という立場の選手が必ずいて、そのひとは己の記録とか順位を上げることを目指さずに、ただひたすらサポートすべきエースのために尽くすことが望まれるということだ。そしてアシストの望みもそれと同じ(であるべき)だということだ。
もちろんこれは技術面がどうこうというのもあるけれど性格的なものもあって、エース向きのひともいればアシスト向きのひともいる。エースになりたいけれど実力が伴わずアシスト、というのも多くあるようだ。
このへんの事情から生じるチーム内の人間関係とか駆け引きとかがなかなか興味深い。
んでもってこの話はスポーツ小説だけじゃなくてミステリーでもあるからまあそういう要素も特に後半いろいろ入ってくるのだが正直そのへんはあんまり読んでいて惹かれなくて、無くても良かったくらいにも思えるのだけれどうーんまあこれは純粋に趣味のモンダイだから。
駆け抜ける競技自転車のスピード感そのままに、ぐいぐいぐいぐい引っ張られてあっというまに読んじゃう面白さは抜群だと思う。ことにクックなんか読んだ後だっただけに展開の速さに……(笑)。
しかしあまりにも早過ぎてさくさく読め過ぎてちょっと物足りないというかもう少しチーム内の人間の肉付けを厚くしてくれてもいいんじゃないだろうかとか思わないでもなかった。あと恋愛要素もなんだかあんまりシンパシー感じないというか。
この小説を読み終えて後のある晩ヤフーを開けたら、自転車ロードレースの最高峰みたいなレースである事件が起こっているというニュースが載っていた。思わずクリックして詳細を読んだがうーんなるほど、うーんなるほどねえ。
まあ如何にも杉江さんの好きそうな話ではあったな確かに。
和製ミステリー
|HINOKIasunaro| 20070922












