■いとうせいこう
画像は単行本のもの。こないだ文庫オチしたのをこれもちょこちょこと読んできた。
いとうさんというお方は不思議なひとで、バクゼンと「いろんなことをするひと」くらいの認識でいるのだが、本書を読んでそこに「なんやしらんけどむっちゃ顔のひろいひと」という感想も加わった。
浅草に住まうせいこうさんがご自身の知り合いの職人さんを今回は雑誌の取材という立場であらたまって訪れて、いままでのふつうのひとづきあいでは深く訊いていなかったことを根掘り葉掘り教えてもらって「ここにこんなひとがいますよ」っていうのを伝えてくれる、それが本書である。
初対面のルポライターが出向いていってプロの方に話をきいて記事を書くというのはよくある企画だがふだんから知っているひと同士ならではの会話というのがそこここに見られて、すごいなあと思う。ま、ぶっちゃけ逆に悪いことは書けないでしょうけどね。
扇子職人さん。
江戸文字・寄席文字の書家さん。
手ぬぐい屋さん。
効果音の製作者さん。
アクセサリーやフィギュアの原型師さん。
まねき屋の店主さん。
オーダーメイドのスーツを作るテーラーさん。
かりんとう屋さん。
パイプ職人さん。
江戸前の鰻屋さん。
テレビのテクニカル・ディレクター(スイッチャー)さん。
理容師さん。
自分の生活や趣味に近い職もあれば、遠い職もあったがそれぞれ職人気質というか照れ屋さんが多いとのこと、でも相手がいとうさんだから打ち解けて話してくれている感じ。こういうひとって懐に入ってしまえば、っていうのがあるのかもしれない。
原型師さんは本書でとりあげられた職人さんのなかで唯一女性だったので興味深く読んだ。また、効果音の話やスイッチャーの話は普段何気なく目にし耳にしているテレビやラジオについてだったので面白かった。扇子屋さんは江戸っ子らしいというかちゃきちゃきした感じがよく伝わってきたし、手ぬぐいは思わず欲しくなってしまったし、理容師さんには切ってもらいたくなった。まねき屋さんは私もよく店内をぶらぶらしてほっこりさせてもらっている。
江戸文字の縦書きを横書きにする方法などはなるほどというか凄いなあと。
テーラーさんの話の中に「ポアロ」が出てきたのは面白かったな。そういう目で見てるんだー。
手に職があるひとは強い、と言うけどほんとそう、というか格好良い。関西とはまた違う江戸・浅草ならではの空気みたいなのも垣間見えた気がした。
エッセイ・対談・ルポ
|HINOKIasunaro| 20080621












