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2008.11.22 (Sat)
■江國滋
娘さんの江國香織の本は昔夢中になって読んだ時期があったけれどお父上の著作にふれるのは初めてだと思う。
ほんとうはこれは『落語手帖』『落語美学』との三部作のラストにあたる本だから先にそちらを読んでおくのが順番としては正しいのだろうけれど、たまたまうちの近所の書店にはこれがあって、これしかなくて、だからまあいいか、と。
初めて読んだけれどムスメと父親の書くものがまったく別物である、というのはあたりまえといえばあたりまえなのだけれど、こういうのを書く親父さんの娘さんが書くものがああいうものであるのかー、娘さんの書かれる恋愛小説をこのひとは読まれたのかなあ、読んだとしたらどういうふうな感想、あるいは作家の先達としての助言などを与えられたのかなあ、なんていう余計なことも頭の隅で考えてしまったり。
というのはこの本を読む限り江國滋という御仁はそうとう「難しい」部類のお方だったんではないだろうか、ということがそこはかとなく伝わってくるからである。
ま、ぶっちゃけ頑固親父。偏屈親父。「あのおやっさんうっさいわー、かなんわー」と云われるタイプ。
そういうまあ親父さんが自分の好きな落語や噺家さんについて好きなことを好きなようにぼつぼつあっちの雑誌こっちの媒体に載せて4年経ったらちょうど本一冊分くらいの原稿が溜まったんで上梓しました、というのが本書である。
明治時代の名人といわれた落語家についてそれはでも多分にノスタルジーが影響しているんじゃないかという指摘はうーんそうかも。というかこの本に書かれている噺家さんのその子弟の世代すらも既に鬼籍に入られたりしているんでうーんつくづく、昔は録音媒体がなかったのがくやしい。
本文中にしょっちゅう「最近の若いひとには」式のモノイイが出てくるんでいったいこれはいつ書かれたもんかと後ろのほうをみてみたら最初の単行本時のあとがきが昭和44年。西暦で云ったら1969年。うわあ! それが旺文社文庫になったのが昭和57年。うへぇ!
まあ、「最近の若いもんは」は明治時代から言われてる云うからねぇ……それにしても江國滋・作の新作落語の出来はちょっとどうかってくらいで、ごほごほごほ!
……古典って偉大だなあ。しみじみ。
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